妄想金魚


●エサの奪い合い

僕達の仲間に加わった大きな金魚は『コメット』と言いアメリカで作られた金魚だそうだ。

名前の通り彗星(コメット)のように和金のような細い体つきと、吹き流しのような長い尾ヒレが特徴で、動きが速く泳ぐのが上手いんだ。

だからエサの時間になると彼らが一番乗りで行くもんだから、エサの時間は前よりもエキサイティングなものになった。


彼女はコメット達に名前をつけた。

一番体が大きく純白で頭の上に丸く赤い色があり、目は大きく離れ唇が厚い金魚をDol(ドル)ちゃん。

ドルちゃん同様、頭の上に丸く赤い色があり、お腹がオレンジ色で口の大きな金魚をVow(ボウ)ちゃん。

白い尻尾がヒラヒラと長く体が赤く、顔の小さな金魚をBilla(ビラ)ちゃんと名づけた。

言っておくが僕の名前はまだない。
後から仲間に加わった金魚に名前がついた事がしゃくに障るが、他の仲間達と見分けがつかないので諦めることにした。

「いつか僕にも名前くらいつけてくれるよね。」なーんて小さい事にはこだわらないさ。(しょぼん)



「おいっ金魚くん達♪エサの時間だよ〜」


あ・・・!急がないと無くなっちゃう!


ビチビチビチビチッ♪


僕はいつもより大きな口を開けてエサを吸いこんだ。


ゲホッ


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