妄想金魚


●黒い集団の乱入

買い物から帰ってきた彼女が僕達のいる水槽を見てニヤリと笑う。背筋の凍るような殺気を感じたんだ。



「あのね〜金魚くん。今日さぁホームセンターへ行ったのね。そしたらね、あの時のステキな店員さんが声かけてくれてさぁ・・・」



ああ・・あの店員の話しか。水槽割れ事件以来、彼女を見かけると会釈ををしたり、話しかけてくる店員がいるそうだ。




「それでさぁ・・タダでやらしてあげるからやっとく?なぁ〜んて言うんだよ。もう。困っちゃってさぁ。」




へ?まてまて・・・それはなんの話しだ?




「で、さっきやってきちゃったの。」




うわっ!!そんな簡単にやっちゃっていいのか?そゆことはよーく考えてからじゃないとやばいって。




「じゃあ〜ん☆」





うわあ!!黒デメ金が10匹いるう!!




「すごいでしょ。黒デメだけを掬ったんだよ。店員さんもウチがあんまり上手でびっくりしてたみたい。うふふ。」




おのれ!また金魚掬いしたんかい。





そして水槽の中ではスイミー達(黒デメ金)が所狭しと泳いでいる。



ぼ・・ボクが目になる。(うじゃうじゃ)

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