金魚のエサと言えば大きく分けると2種類あり、生き餌と人工飼料がある。
生き餌はミジンコ・赤虫・イトミミズが代表的で、とても美味しいのだがエサ代が高くついてしまうので、残念ながらめったに口にする事はないのだ。
なので、大抵の飼い主は人工餌料を与えてるだろう。
人工餌料の中でも粒状のものと、フレーク状のものがあるが僕の好みだとフレークの方が好きだ。まだ体が小さいから粒状だと食べにくいんだよね。
しかし今日は違った。
彼女が水槽に入れた物は、生臭く、白くて細長い物だった。 臭いからして食べれる物と判断したが、一応警戒して突っついてみる。
「オイ。コレハ タベレルゾ。」
と仲間の声が聞こえると、みんな一斉にエサに飛びついた。
まるで綱引きのように引っ張り合い、エサを引き千切るので食べるのも困難である。ようやく口の中に入れても、大きすぎて口から出したり入れたりを繰り返す。すると他の仲間がそれを横取りしてしまう有り様だ。味わう余裕なんてありゃしない。
後にこのエサが『アマエビ』だと言うことがわかった。
どうやら彼女の夕食で余った刺身だったらしい。それにしても、もっと小さく刻んでくれるとかしてくれればいいもんなのに。ほんと気がきない。
それから味をしめた彼女は、変わったエサを水槽に入れる日々が続いたんだ。
カマボコ、魚の刺身、サザエ、イカの内臓・・・。
そりゃあ金魚は雑食性で何でも食べると言われるけどね、こう食べにくいエサを入れられたらたまったもんじゃない。
そして変なエサをやりつづけた結果、水槽の水の汚れがひどくなり仲間が次々死んだんだ。
彼女は僕達の数が減る事を期待してエサを与えてるのではないかと不安になった。
「オイ。オイシイエサ アルヨ。」
と仲間が呼ぶので、今度はどんなエサかと確認すると死んだ仲間だった。
あれ?なかなか美味しいかも。
まぁ、つまりあれだ。 金魚は雑食性であり、共食いもするということだ。
しかし美味しいなぁ。
|
|